杉並区の物価事情

西友が握る杉並区買物事情

賢く探せば安くて便利な家に住める杉並区。だが、物価となるとそうはいかない。HOME’S社の行った『23区生活実感ランキング2006』によると、杉並区の「食品・日用品の物価」ランキングで杉並区は14位と下位。やはり、足立区、板橋区などと比べると、相対的に物価が高い。

これを生んでいるのが、杉並区の買物事情だ。杉並区の日用品と言えば、全てスーパー大手の西友に集約されると言っても過言ではない。杉並区内にある西友は9軒。中央線4駅と下井草、浜田山、富士見ヶ丘、高井戸とほぼ区内全域をカバーしている。このほかに、生協、いなげや、サミットなどもあるが、立地の良さでは西友が他を圧倒している。

西友は1980年代にはすでに杉並区の買物の中心となっていた。もちろん、各駅にはもともとそれぞれ商店街があったのだが、やはり大手資本のパワーは強く、閉店に追い込まれてしまった店も多い。筆者の記憶によれば、1990年代までに、西荻窪では八百屋、魚屋、肉屋の約半数が閉店ないしは規模縮小してしまっている。また、こうしたスーパーの圧力に対し、品揃えの高級化を進めた個人商店も見受けられ、「スーパー(西友)=普段の買い物」「個人商店=高級食材」という構図が出来上がってしまった家庭も少なからず存在するようだ。

こうした構図が出来上がっているため、どうしてもスーパーの価格が杉並区の平均物価を左右する。スーパーはそれぞれのチェーンでほぼ一律に価格を決定するため商店街が強く毎日驚異的な特売を行う板橋区や、全体の物価が安い足立区などと比べるとどうしても割高感があるのである。また、物価の安い地域の西友と、杉並区の西友では同じ食材を見ても中身が違う場合がある。事実、杉並区の西友では、産地直送野菜のコーナーが人気だが、足立区の西友には産直コーナーそのものが無い店舗もある。相対的に、同じ西友でも杉並区は「高い」のだ。

人気の高級スーパーがさらに高める割高感

西友以外に目立つ存在と言えば、青梅街道沿いに2店舗あるクイーンズ伊勢丹と、井の頭街道沿いにこれも2店舗ある三浦屋の高級スーパーだ。さすがに「高級」だけあって、とにかく高い。大根、ネギといった一般的な野菜が、それこそ西友の2倍近い値段だったりすることもあるのだ。高いだけあって、モノは確かに悪くないが。

クイーンズ伊勢丹東高円寺店以外の3店舗は、全てかなりの規模の駐車場を持っている。ここに、前述の「杉並区人気スポット」在住の奥様が、外車に乗ってやってくる。冗談ではなく、本当に外車が多いのだ。彼女たちはこれらの高級スーパーで高品質高価格の食材を買い、そのまま車で家に帰り料理をする。街道沿いにあるので、自宅から少々遠くても平気。こうして、駅近辺に寄り付かなくなるのである。高級スーパーの存在が、駅前から「お金持ちの奥様」の姿を消した。これが杉並区内の人種乖離、イメージの生成に一役買っていることは間違いないだろう。

参考:日本の特別地域特別編集 東京都杉並区

©2017 まちいく

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