荻窪は杉並区のターミナル、どこにでもいける

荻窪駅は、杉並区内で中央線快速が唯一土日祝日も停車する駅であり、また、東京メトロ丸の内線の始発駅でもある。最終的な行き先の違う総武線と、三鷹まで乗り入れている東京メトロ東西線を加えれば、4本の列車が走っている駅である。

これだけですでにターミナル駅といえる規模だが、荻窪再大の特徴は、バス路線の充実度である。杉並区を走るのは、関東バスと西武バス、都営バス、京王バスにコミュニティバスすぎ丸など5種類あるが、荻窪から出発するバスは関東バス、西武バスの2種類だ。たったの2種類ではあるが、なんと、その経路数は運行数の少ないものまで含めると実に32本(系統)。荻窪を基点にして東西南北すべての方向をカバーしている。一部の系統は、練馬区、世田谷区まで延びており、死角はまったくない。荻窪から発車するバスは、たとえば荻窪団地であったり、社会保険庁入口であったりと、具体的な行き先が終着点になっているものが多くあり、その充実度はかなりのものである。

杉並区の電車は、すべて東西移動のもので、南北の接続が非常に弱い。これを豊富なバス路線がカバーしている。当然、他の中央線3駅にも南北を結ぶバス路線があり、それぞれ西武新宿線や京王井の頭線と接続されている。

杉並区のバス路線はこれだけではなく、都営バスが阿佐ヶ谷から渋谷、新宿西口から高円寺を経由して王子など、かなり遠いところへも直接つながっていたりと便利である。

これは、インフラ事情を語る上では非常に重要なことだ。通常、東京でのバス路線の位置づけは、「電車がカバーしていない路線を受け持つ」という感覚だ。バスに乗り、最寄りの電車駅まで行き、最終的には電車で目的地を目指すという図式だ。しかし、杉並区の場合は半ばドアトゥドア感覚でバスに乗り、新宿や渋谷に出るという選択肢と、最寄り駅までバスで出てメインは電車という両方の選択肢がある。なんとも贅沢な交通事情といえるのではないだろうか。

荻窪のバスを使うのはどんな人

ただし、これらのバスはある程度使う人間の人種が限られてくるようだ。バスを活用しているのはどのような人々かといわれると、ひとつには高齢者層が挙げられる。中央線の駅で買い物をした人間が、西友のレジ袋を持ってバスに乗り、南北に散っていくのはよく見られる光景だ。これが、朝の通勤時や夜遅めの帰宅時間となると、学生やサラリーマン・OLの姿が主流になる。とくに女性客が目立つ。

そして、最後にはずせないのが公団「荻窪団地」の存在だ。荻窪団地は、昭和30年代に建てられた4階建ての団地である。当時はかなりの「高層団地」で、約600世帯。つまり平均1世帯3人程度として計算すると、2千人を収容するという当時としてはかなり巨大なものだった。これをカバーするために、専用のバスが走ったのである。

参考:日本の特別地域特別編集 東京都杉並区

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